Case Study

富士吉田の家(山梨)

富士吉田の家は大正時代の面影を残す、快適で地域に根差した歯科医院兼住宅です。
 

富士吉田の家は、建物の老朽化で建て替えが必要となった大正創業の歯科医院が、エコハウス設計の第一人者である西方設計の西方里見先生とのコラボレーションで生まれ変わった住宅です。お施主様のご要望通り、大正時代の面影を感じさせ、富士山に映える意匠デザイン、そして建替え前と同様、地域のコミュニティシンボルとなる歯科医院・住宅が完成しました。
 
冬季の最低温度がマイナス15度にもなる地域でも、暖かく快適に過ごすためのポイントは以下の通りです。

  • 外皮平均熱貫流率(Ua値)0.286W/㎡K
  • 年間暖房負荷 24.89kwh/㎡
  • 年間冷房負荷 6.28kwh/㎡
  • 恵まれた冬季の日射量を活かし、開口部を大きくして暖房エネルギーを削減(日によっては無暖房で過ごせる日も!)
  • 外付けブラインドでプライバシーの点や夏季の日射コントロール、冬季のオーバーヒートを解決

 

仕様構成図・各仕様データ

富士吉田の家 矩形図2/1

 

1F平面図

 

富士吉田の家 2F平面図

 

配置図

 

建物データ

所在地 山梨県富士吉田市
工法・規模 木造軸組2階建て
延床面積 154.02㎡
竣工 2018年 5月
設計 有限会社 西方設計
施工 天野保建築

 

性能データ

1次エネルギー消費量(年間) 100.21 kWh/m2
暖房負荷(年間) 24.89 kWh/m2
(最低室温20℃)
熱損失係数(Q値) 0.97 W/m2・K
外皮平均熱貫流率(Ua値) 0.286 W/m2・K
相当隙間面積(C値) 0.09 cm2/m2

 

断熱仕様

屋根

高性能グラスウール24K (イゾベール・コンフォート)
 120+105+105=330mm

外壁

外部付加断熱:ミラフォームラムダ50mm

充填断熱:高性能グラスウール24K 120mm (イゾベール・コンフォート)

基礎

基礎底盤:ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板A種特号 100mm
基礎立上り内外:ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板A種特号 60mm

NORWOOD 木製トリプルガラス(南側U値0.7η0.58 他U値0.5η0.38)
GADERIUS 木製トリプルガラス(南側U値1.12η0.53 YKK430)

玄関ドア

GADERIUS 木製断熱ドア( U値0.77)

シート 調湿気密シート
テープ 気密テープ
暖房

ダイキンアメニティビルトイン形 4.0kw

冷房

ダイキンアメニティビルトイン形 2.8kw

給湯

エコキュート

換気

ガデリウス RDAS 第1種熱交換型換気

 

建物燃費

 

設計・施工者より

天野氏と西方氏

天野保建築 代表 天野 洋平​氏 


1階が歯科診療所、2階が居住空間です。窓が大きい総2階の切妻のシンプルなデザインながら、外装の杉のファサードラタンの素材感と陰影がアクセントになっています。

特色として、

  • 日射取得が大:最低気温が零下15℃にもなる寒冷地ながら南面の窓が大きいのは、2階から美しい富士山を借景するばかりでなく、暖かく心地よく住まうのに大きな窓から日射を得るためです。
    躯体性能は熱損失を少なく、日射取得熱(4,000kWh/年)を大きくしたことから暖房負荷が少なくなっています。日射でのオーバーヒートは外付けブラインドのスラット(羽)の角度変化で取得・遮蔽だけではなく無段階に調整できます。
  • 良好な水蒸気環境:冬の過乾燥と夏の高湿度を防ぐのに、水蒸気回収に優れた回転式のアルミ素子の1種熱交換換気システムとダクトエアコンで解決。
    冬の室内の相対湿度は45〜50%、夏の相対湿度は50%以下に保たれます。
  • 夏はナイトパージで涼:熱帯夜・真夏日・猛暑が少なく凌ぎやすいですが、夜間に窓を開き、温度低下した空気を取り入れるナイトパージが有効です。冷房負荷は5.92kWh/m2年です。
  • 良好な音環境:音の反響が弱点ですが、天井の板張りの下地にウッドファイバーを吸音材に使用することで解決しています。

 

天野保建築ロゴ

 設計・施工: 天野保建築