
【背景】
健康・快適・省エネな生活には住宅の断熱性能が重要です。しかし約5000万戸の住宅ストックのうち、H25年省エネ基準の断熱性能に適合している住宅はわずか5%と言われています。*1 このことから多くの住宅において断熱性能の向上が必要と考えられます。
また、10代から60代の全国男女に寒い季節に気になる体調の変化を尋ねたところ、「足の冷え(49%)」という回答が第1位になったという統計データ*2が示すように、足元の冷え対策は住まいの大きな課題です。足が直接触れる床の冷えは、不快感や体温低下による体調不良につながりやすいため、断熱性能を向上させて表面温度を改善することが重要です。 しかし、従来の断熱材を床に施工するためには、床材を剥がしての工事が必要なため、床の断熱リフォーム工事だけを行うことは工期・コストの観点から普及が進まず、実際には水周りのリフォームや床の張替え時等に追加工事として実施されることが一般的でした。
こうした背景を受け、マグ・イゾベール(株)は、床材を剥がすことなく施工でき、工事中も室内の日常生活に支障が起こらないリフォーム用グラスウール断熱材「床リノベ」を開発いたしました。

【床リノベの特長】
■床下から施工ができる
= 床の断熱リフォームを単体で実施可能
= 従来型の工事よりも低コスト・短工期
= 工事中も室内の日常生活に支障がない
床材を剥がしての断熱工事は大掛かりですが、床下からの工事であれば比較的簡単に断熱性能向上が可能です。従来の断熱材は床下からの施工を想定していないため断熱施工が困難でしたが、床リノベは点検口から搬入しやすく、床下からの留め付けが簡単なので、床材を剥がすことなく住みながら床の断熱リフォームが実現できます。
【製品仕様】
既存住宅は断熱材の有無をはじめ床の仕様はそれぞれ異なるため、様々なケースに対応できるようマットタイプとボードタイプの2種を取り揃えました。
1.フレキシブルに対応できるマットタイプ

密度 (kg/㎥) |
厚さ(mm) | 備考 | |
根太用(洋室) | HG16 | 50 | 6面パック (穴開きポリエチレンフィルム27μm) |
根太用(和室) | HG16 | 50 | |
大引用 | HG16 | 100 |
・低密度で圧縮できるため床下点検口から搬入が可能です。
・全面をフィルムで包んでいるため繊維で室内を汚さず、また施工時のチクチク感も軽減します。
・フィルム耳部分をタッカー釘で留め付けます。
2.防風層付きボードタイプ

密度 (kg/㎥) |
厚さ(mm) | 備考 | |
大引用 | 32 | 60 | 透湿防水シート張り折り畳み加工 |
32 | 60 |
・折り畳み加工で床下点検口から搬入が可能です。
・透湿防水シートが付いているため、施工後は防風層・気流止めとしても機能します。
・透湿防水シートが床下側になるように充填し、透湿防水シート耳部分をタッカー釘で留め付けます。
【今後の展開】
マグ・イゾベールは、本製品の発売を機に、断熱リフォームの普及を目指します。
今後は床リノベのパンフレット、施工要領書等の営業支援ツールの充実を図ると共に、説明会や施工指導を行いながら啓蒙活動および拡販を進めてまいります。
*1 国土交通省「最近の住宅行政の動向について(平成27年4月21日)
*2 ライフメディア リサーチバンク「冷え性に関する調査(平成26年12月17日)