Q1: 高断熱・高気密住宅に取組み始めたきっかけを教えて頂けますか。
A.2000年代から高気密・高断熱に興味を持ち始めたのですが、まだまだ周りで性能の高い住宅を取組んでいる工務店・ビルダーは少なく、当時付合いのあった建材メーカーに相談してもまだスキルを持つ人材がおらず、どのように対処すればよいか悩んでいました。
転換点は2011年に発生した東日本大震災です。震災の影響による電力供給不足で、住宅の省エネ性能の重要性を強く認識したのですが、そのタイミングでちょうど事務所とコンセプトハウスを建て替えることになりました。エコハウスを試すのであれば今しかない!と思ったときに、マグ・イゾベールと出会いました。
マグ・イゾベールのネットワークで、既に高気密・高断熱住宅に取組まれている関東エリアの工務店の紹介を受け、現場見学等を通じて得た知識を初めてのエコハウスに注ぐことができました。
コンセプトハウスは初めての物件だったので、どのくらい快適になるか半信半疑だったのですが、住み始めたら本当にエアコン1台で建物全体が快適になって驚きました。2015年から高断熱住宅を提案し始め、最初の半年は反応が少なかったのですが、1軒、2軒と評判が広まり、今では性能を求めてくるお施主様が増えています。
Q2:マグ・イゾベールの製品(イゾベール・コンフォート、イゾベール・バリオ)を採用した理由を教えていただけますか?
A.以前からグラスウールを使用しています。断熱材は躯体の中で使用し、途中で入れ替えをすることが容易ではないので、耐久性を重視しています。グラスウールは無機素材のため、経年で形状が変わることも断熱性能が劣化することもないので、安心して使用できます。不燃性もあるので、万が一火災が発生したときも安全です。
2015年からマグ・イゾベールの防湿層が付いていないグラスウールを使用していますが、イゾベール・コンフォートになってから、非常に手触りが良くなり、チクチク感がなくなったと感じています。気密部材はイゾベール・バリオを使用しています。気密テープのイゾベール・バリオKB1は紙の基材でかつ粘着力が強いので気に入っています。
他の気密テープは粘着力が弱く、大工さんが何度も重ね貼りしてしまうのですが、イゾベール・バリオKB1は粘着力が優れているため1回でしっかりと留め付けることができます。また、イゾベール・バリオエクストラセーフとデザインが揃っているので併せて使用すると、まとまりがあります。毎回施工現場見学会を実施しているのですが、デザインが良いとお施主様からも評判も良いです。
Q3:高断熱・高気密住宅に取組まれて変わったことはございますか?
A.2015年から高気密・高断熱住宅に取組みはじめてから徐々に性能の良さを評価いただくようになり、今では性能の良さでお施主様に選んでいただいています。お施主様の多くは全国展開するハウスメーカーや注文住宅を検討されている方も多いですが、性能を考えると納得できる価格帯と言われています。性能を高くすると、その分価格も工期も増えてしまいますが、それに見合った価格で販売することができます。
以前に比べて、より1件1件丁寧に建てられるようになったので、お施主様の満足度の高い、快適な住宅を提供できるようになりました。構造見学会、完成見学会を開催しておりますが、現場での丁寧な施工状態や快適な室内空間は説得力があるようで、見学される方の多くはそのまま契約されます。
これからは電気代がますます値上がりする可能性がありますが、高断熱高気密住宅では断冷房費を抑えて生活することができますので、その点についてもお施主様からは評価されています。
Q4:最後に、今後の家づくりについて、何かあればお聞かせください。
A.今後の課題として更に環境負荷の少ない住宅にしていきたいと考えています。住みながらのエネルギー消費量に関しては、快適性やコストを考えると丁度今くらいが良いかと思いますので、今後は製造時の環境負荷に注目したいです。一番気になるのは現場で出る廃材なので、これらを有効に活用できる方法を探っています。
マグ・イゾベール社は、環境ラベル(EPD)を取得されているそうですので、これからも、より環境への負荷が少ない製品の製造・販売に努めてほしいですね。
取材協力
あしづかホーム様(滋賀県大津市)
ウエブサイト: (https://www.ashizuka.com/)