よくあるご質問
グラスウール断熱材について、お客様からよくいただくご質問にお答えしています。
質問カテゴリー |
---|
かさ比重について
Q 1. グラスウールのかさ比重とは何ですか?
かさ比重とは、粉体や粒体、繊維体(グラスウールはここに含まれる)などの物質以外に空隙を含む物体の重量の値のことです。外寸を体積で割ることで算出します。
あくまで外寸というみかけから計算するため、「みかけの密度」とも呼ばれます。そのため、グラスウールのかさ比重は、グラスウールの密度の単位の違いによって表されます。密度とかさ比重は表示する単位が違うだけで、実質ほぼ同じものと考えていいでしょう。
密度 :kg/m3
かさ比重 :g/cm3
例)
密度 :24kg/m3=24000g/m3 =24000g/(1m×1m×1m) =24000g/(100cm×100cm×100cm) =0.024g/cm3
断熱性について
Q 2. グラスウールを決められたとおりの厚みではなく、潰して薄くして施工した場合、断熱性能はどう変わりますか?
断熱材の断熱性能は熱抵抗(R値)で表され、熱抵抗は「断熱材の厚さ」を「断熱材が持つ熱伝導率」で割って算出されます。
熱抵抗(㎡・K / W)= 厚さ(m)÷ 熱伝導率 (W / m・K)
断熱材の断熱性能は厚さに比例します。
つまり、潰して薄くして施工した場合は、その分断熱性能も下がってしまうということです。潰して施工した場合の断熱性能は、潰したときの密度(見かけ上の密度)による熱伝導率と、潰したときの厚さによって計算されます。
例)10K・厚さ100mmの断熱材を50mmまで潰した場合(見かけ上の密度:20K)
・通常時の断熱性能 10K100mm 0.10(m)/0.050(W/m・K)=2.0(㎡・K/W)
・潰した場合の断熱性能 20K50mm 0.05(m)/0.042(W/m・K)=1.2(㎡・K/W)
上記のように、断熱性能は40%ダウンしてしまいます。潰して薄くして施工すると断熱性能が下がってしまうため、施工方法としてはおすすめできません。
Q 3. イゾベール・コンフォートなどの製品を天井用としても使うことはできますか? 断熱性能の低下などは起こらないでしょうか?
当社のグラスウール断熱材は、壁や床などの施工部位の寸法に合うようなサイズ及び仕様設定を行い、製品毎に「壁用」、「床用」というように代表的な施工部位の表示を行っています。
サイズ及び仕様等の問題がなければ、部位に関係なくご使用いただくことができます。したがって、「イゾベール・コンフォート」を天井用としてご使用いただけます。
カテゴリーごとの製品を見る
Q 4. 間仕切り壁にグラスウール断熱材を充填した場合どのような効果が得られますか?
グラスウールを間仕切り壁に充填した場合は遮音性能が高まるとされています。
これは、間仕切り壁内の空洞部分における空気振動をグラスウールが制御し、空気伝播により伝わる音を軽減するためで、結果として、グラスウールを含む間仕切り壁としての遮音性能が高まることになります。
ただし、グラスウールは吸音材料ですので、遮音材料と併せてお使いいただくことで遮音補強材としての役割を果たします。
グラスウールについて
Q 5. マグ・イゾベールのグラスウール断熱材はどこで購入できますか?
一般のお客様は、ホームセンターあるいは販売店(材木店、建材店等)からご購入ください。一般のお客様向けにメーカー直販は行っておりません。
Q 6. グラスウールの耐熱温度は何℃ですか?
グラスウールは、ガラス繊維と繊維同士を接着するバインダー(接着剤)で構成されています。 ガラス繊維本来の耐熱温度とバインダーの耐熱温度が異なるため、使用条件によってどちらの温度が適用できるかが決まります。
- バインダーの耐熱温度を限度とする場合:
バインダーの耐熱温度は約150℃です。
これよりも高温の部分に長時間接していると、バインダーが変色(茶褐色から灰色になり、白くなって炭化する)して接着剤としての機能が低下してしまいます。よって、「バインダーが変色しない」温度を基準とするなら、グラスウールの耐熱温度は150℃です。 - グラスウールの断熱機能があればいい場合(ガラス繊維の耐熱温度を限度とする場合) :
グラスウールを針金や亀甲金網などで固定している場合、もしくはケーシングなどでグラスウールに直接風圧や振動が加わらないように施工されている場合は、150℃以上の部分に長時間接して変色しても繊維が脱落する心配はありません。
厚さも断熱性も変化はなく、グラスウールの断熱材としての機能は損なわれません。バインダーの耐熱温度を超えて使用しても実用性に問題がない場合が大半で、つまりこの場合、グラスウールの耐熱温度とはガラス繊維の耐熱温度と同じです。
ガラス繊維の耐熱温度は一般的に250~350℃(密度や種類によって異なる)です。
Q 9. グラスウールと発泡プラスチック系断熱材の違いはなんでしょうか? どちらが性能が良いのでしょうか? またどれくらい値段が違いますか?
断熱材は、空気等の気体層が動かないように固定する事で熱を伝えにくくしています。
グラスウール断熱材はガラスを細かい繊維状にして、絡み合った繊維の中に空気の層を形成します。一方、ポリスチレン樹脂等を使用した発泡プラスチック系断熱材は、発泡させた細かい気泡の中にガス等の気体を閉じ込め、動きにくい気体層を構成します。
どちらが優れているかは一概には比べにくく、住宅の工法、断熱工法、断熱部位によって、最適な断熱材は異なります。コストの面で比較した場合、同等の断熱性能を得るためにグラスウール断熱材を「1」とした場合、発泡プラスチック系断熱材ではおおよそ「2~3倍」のコストが必要となります。
健康への影響について
Q10. グラスウールにカビが発生し、アレルギーの原因になるようなことはないのでしょうか? また、施工方法が原因でそうしたリスクが発生することはありますか?
カビは一定の温度・湿度・養分という3つの条件が揃うことでどのような箇所、素材にも発生します。
グラスウールが結露の発生等で水に濡れたような状態になった場合には、カビが発生する可能性があります。
カビの発生を防止するためには、正しい施工により結露の発生を防止することが大切です。
Q11. グラスウールには発がん性がありますか? アスベストのような有害物質でないか心配です。
グラスウールは、これまで世界中で半世紀以上にわたって使用されています。
そのうち40年以上にわたり、グラスウールに携わる人々に対し健康診断や死因調査が行われていますが、これまでの調査報告のなかにグラスウールが原因と考えられる異常や所見は認められていません。
また、長年の免疫研究においても安全性が認められており、2001年10月にフランスのリヨンで開催されたIARC(国際がん研究機関)による発がん性分類評価会議においても、コーヒーなど よりも安全性の高い「グループ3」に該当するものとして再評価されています。
天然繊維であるアスベストとは全く異なる行程・原料で製造されており、発がん性の心配もありませんので、安心してご使用いただけます。
グループ1(人に対して発がん性がある) | アスベスト、たばこなど |
グループ2A(人に対する発がん性がおそらくある) | ディーゼル排気ガス、紫外線など |
グループ2B(人に対する発がん性が疑われる) | ガソリン、ピクルス、コーヒーなど |
グループ3(人に対する発がん性が分類できない) | グラスウール、ナイロン、紅茶など |
グループ4(人に対する発がん性がおそらくない) | カプロラクタム1品種のみ |
Q12. グラスウールはアレルギー症状の原因になるホルムアルデヒドを含んでいるというのは本当ですか?
グラスウールを製造する際に使用する接着剤に、わずかにホルムアルデヒドが使用されています。
しかし、製造段階において殆ど除去されます。
グラスウールは適切な工程を経てホルムアルデヒドを除去しているため、建築材料としての評価はホルムアルデヒド放散量が最も少ない最上位等級(F☆☆☆☆)に該当しており、建築基準法における使用制限を受けずにご使用いただけますのでご安心ください。
Q13. グラスウールを加熱すると、煙や臭いが発生しますか?
グラスウールを加熱した場合、接着剤が分解し、煙及び臭いが発生することがあります。特に使用初期においては換気に留意をしてください。
施工について
Q14. グラスウールを施工して、時間がたってからずり落ちてくるようなことはありませんか? 昔のイメージからか、施主様からそういった質問を受けることがあります。
通常の使用した状態でグラスウールがずり落ちてくることはありません。
グラスウールは実際の施工寸法よりも大きめに仕様が設定されており、弾力性がある素材であるため、所定の施工を行い、外的に特別な要因が発生しない限りは、ずり落ちてくるようなことはありません。
過去に、防湿施工の不備等から、壁体内で結露が発生、断熱材内に大量の水がたまり、重量で断熱材が脱落する等の事例がありましたが、適切な防湿処理を行い、通気層工法を採用することで結露の発生は防止できます。
Q15. 壁にグラスウールを施工する際に、コンセントボックスやスイッチボックスはどのようにグラスウールと防湿シートを施工するのでしょうか?
- コンセントやスイッチボックスカバーの大きさに合わせて、グラスウール断熱材にカッターナイフ等で切り込みを入れます。
- 切り込んだ部分の防湿フィルムを剥がし、グラスウール断熱材をコンセントボックスカバー等の裏側に通します。
- 最後に、コンセントボックスカバー等と周囲の防湿フィルムを気密テープで隙間なく貼り合わせて留めつけます。
以上のような施工を行うことで、断熱欠損を防ぎ、防湿・気密性を確保することができます。*その他、コンセントボックスカバー、気密型のコンセントボックスを使用する方法もあります。
Q16. 防湿シート付きグラスウールを横に半分に切って、切断面を塞がずそのまま施工しても大丈夫でしょうか?
防湿シート付きグラスウールは、ポリエチレンフィルムで覆われています。
同じポリエチレンフィルムでも、室内側に向けて施工する面のフィルムは防湿層としての役割、屋外側に向けて施工する面(及び側面)のフィルムは施工性を向上させるための役割と機能が異なっています。
施工後において機能的に重要性を持つのは、室内側に向けて施工する面のフィルムですので、切断したような場合には、室内側のフィルムのみ断熱材の室内側に隙間なく施工することが大切です。
Q17. 間柱の間隔がまちまちの箇所に防湿シート付きグラスウールを入れる際、押し込まず、室内側に膨む箇所ができないように施工するには、どうすれば良いでしょうか?
マグ・イゾベールでは各部位に適応できる、さまざまなサイズのグラスウール断熱材を用意しておりますが、間崩れ部分等(狭い部分等)ではグラスウールカッター等を使用して、幅詰めを行っていただく必要があります。
押込んだような状態で施工した場合には、所定の厚みが確保できなかったり、隙間ができやすくなったりということで、所定の断熱性能が確保できない等の弊害が生じる可能性がありますのでご注意ください。
Q18. グラスウール断熱材をお客様自身で施工することはできますか?
断熱材の施工は、前後の工程との繋がり及び関係がありますので、工務店及び工事業者の方が施工されることをお奨めいたします。
耐久性について
Q19. グラスウールは経年劣化したり、性能が落ちたりしますか?
グラスウールは無機質材料のため、経年劣化しにくい安定した素材です。
温度や湿度の影響を受けにくく、年月が経過しても形状や断熱性能が変化することはほとんどありません。
Q20. グラスウールは湿気を吸うというのは本当ですか? グラスウール自体が腐食してしまうこともありますか?
グラスウールは透湿抵抗の低い材料ではありますが、繊維自体は吸湿性を持たない無機質材料であり、吸湿性を持っているわけではありません。
繊維表面および成形のために使用している微量の接着剤にわずかに水蒸気吸着力があるため、吸湿実験を行った場合にはごくわずかに吸湿性を示し ますが、それ自体が問題になるようなことはありません。
※断熱材施工の際、問題になるのは結露が発生した場合です。これは、壁体内等における湿気の滞留に温度低下が伴った状態になった場合に発生する問題です。結露を防止するためには、室内からの湿気侵入を防ぐための防湿施工と、湿気の逃げ道となる通気層を設けることが重要となります。
Q21. グラスウールがステンレス配管などの金属を腐食させることはありますか?
オーステナイト系ステンレス鋼が腐食する原因が、長期間にわたる断熱材などとの接触であることはよく知られています。
これは、保温材に含まれる可溶性ハロゲン化物(主に塩素)が濃縮されてできる塩化物イオンの影響によるものです。
ただし、この可溶性塩素の作用を可溶性珪酸ナトリウムが抑制するので、保温材の塩化物イオンと珪酸ナトリウム濃度の相関関係によって、その保温材がオーステナイト系ステンレス鋼に対して適切か不適切かどうかを判断できます(ASTM C-795)。
試料:グラスウール保温材 結果:塩化物イオン 11mg/kg ナトリウムイオン 2300mg/kg 珪酸イオン 3400mg/kg |
結論:マグ・イゾベールのグラスウールはオーステナイト系ステンレス鋼を腐食させることのない範囲にあります。