軽量で柔軟なマグストーン
従来の天井板よりも格段に軽量かつ柔軟なマグストーンは、グラスウールのボードに特殊ペイントを施した
ガラス不織布を張り合わせた製品です。
グラスウール本来がもつ高い吸音性と断熱性を持ち合わせた、今後の天井におけるスタンダードとなる天井板です。


製品仕様
密度 (kg/m3) |
厚み (mm) |
標準モジュール (mm) |
m2あたり重量 (kg/m2) |
断熱性能 (W/m・k) |
吸音性能 | 対象工法 |
---|---|---|---|---|---|---|
64 | 25 | 600×1200 900×900 900×1800 1000×1500 900×1680(エアリー天井用) |
1.6 | 0.034 | 0.88 |
*JIS A9504人造鉱物繊維保温材(F☆☆☆☆) JIS A6301 吸音材料
*国土交通大臣認定 不燃材料 NM-8610
*熱伝導率は弊社測定データによるものです(平均温度25℃)
*吸音性能 … 残響室法吸音率、N.R.C(250Hz+500Hz+1000Hz+2000Hz)/4 背後空気層300㎜
*その他の寸法等につきましては、弊社までお問い合わせください
マグストーンが持つ4つの長所
1. 安全性

グラスウールは繊維の間に多くの空気胞を有するため、ボードの形状は保持されていても材料は軽量で柔軟性があります。
グラスウール板の軽量性については、国土交通省告示第771号「特定天井」に関する技術的ガイドラインの中でも触れられており(表1)、グラスウール板を用いたシステム天井の軽量性が示されています。
また、天井材は軽量なだけでは人体へのリスクが低減できるとはいえません。
軽量でも固い天井の角が頭部に当たってしまった場合や、割れて飛散した場合は、負傷してしまうおそれがあります。
マグストーンはグラスウール独自の柔軟性を有しているため、万一の落下時でも粉々に飛び散ることもなく、何かにぶつかった場合はしなやかに変形します。
表1:各種の吊り天井における天井面構成部材の単位面積質量
吊り天井の種類 | 単位面積質量 |
---|---|
ロックウール吸音材9mm + せっこうボード9.5mm + 下地材 | 10.2 ~ 13.1 kg / ㎡ ※ |
せっこうボード9.5mm + 下地材 | 7.1 ~ 10.0 kg / ㎡ ※ |
グリッドタイプ天井 (ロックウール吸音材) | 5.5 kg / ㎡ |
体育館用のシステム天井 (グラスウール板) | 4.8 kg / ㎡ |
金属スパンドレル | 6.5 kg / ㎡ ~ ※ |
※ 野縁等を用いるもの
資料引用:一般社団法人 建築性能基準推進協会発行
「建築物の天井脱落対策に係る技術基準の解説(平成25年10月改訂版)」内
「第Ⅰ編 建築物における天井脱落対策に係る技術基準の逐条解説」P.19より抜粋 表の一部を加工
*上記値の中には照明設備等の単位面積質量は含まれていない
*上記値はあくまで各工法の重量目安である
2. 吸音性
グラスウールは、内部の空気胞が入ってくる音のエネルギーを効率良く熱に変換するため、優れた吸音性能があります。
音が必要以上に残響してしまう空間というのは、アナウンスや会話などが不明瞭に聞こえてしまい、非快適な空間となってしまいます。
室内の最適残響時間は、使用目的、室容積によって下図1のようになっています。
下図2の場合は、オフィスビル(会議室等)の残響時間を調整した計算例ですが、このようにマグストーンを施工し、適切に残響時間をコントロールすることにより、快適な音空間を創造することができます。
快適な音空間は、オフィスビルだけでなく、災害時の避難所となる体育館や公民館のホール等でも非常に重要となります。
マグストーンは、被災してしまい多大なストレスを抱えている方々が少しでも落ち着けるような、音響性能をもつ空間作りに貢献します。


3. 断熱性

グラスウールは、細いガラスの繊維の間に多くの動かない空気を含み、これにより優れた断熱性能があります。
また、密度が増すにしたがいグラスウールの中の空気が細分化されるので、熱伝導率(※)は小さくなります。
この優れた断熱性能を持つグラスウールが天井材に使用された場合、外部からの熱の侵入を防ぎ、冷暖房の効率が良くなる為、光熱費のコストカットが実現します。
また、大規模な地震が起きて停電が発生した場合にも、建物及びその空間の断熱性能は、避難生活をおくる上で非常に重要となります。
気温の急激な変化に弱い高齢者はもちろん、乳児や幼児が少しでも快適に過ごせるための空間作りには、マグストーンのような断熱性能に優れた天井材が必要不可欠になります。
4. 不燃性

グラスウールは不燃材料として、建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」において、コンクリートやレンガ等とともにグラスウール板として定められています。
長時間高温にさらされても容易に溶解や変形することがないため、万一の火災時にも延焼や類焼を防ぎ、有害ガスや黒煙を発生させるようなこともありません(※)。
(※)グラスウールの原料であるガラス繊維は、高温になってもガスや有害物質を発生させることはありませんが、ガラス繊維同士を接着しているバインダー(接着剤)には微量の有機物が含まれているため、火災時の環境によってはガスが発生することがあります。
ただし、グラスウール断熱材に含まれるフェノール樹脂の量はわずかなため、ガスが発生したとしても人体に悪影響はないものと考えられます。
地震時には、多数の大規模な火災によるリスクが発生します。不燃性能を持つ材料を採用しそのリスクを少しでも低減することが、安全な建物づくりの第一歩です。