気密と防湿がなぜ必要なのか

気密と防湿がなぜ必要なのか

気密性の高い家とは、住宅における壁・床・天井などの接合部分の隙間が極めて少なく、外気の影響を受けにくい家のことです。

 

気密化された家
気密化された家
気密化されていない家
気密化されていない家

 

気密性が低いと、夏は外の熱気が隙間から侵入し、冬は外の寒気が隙間から侵入するため、夏は暑く・冬は寒い住まいとなってしまいます。


気密性が高いと室内の空気が隙間から逃げず、外気の影響も受けにくいため、室内の温度を快適に保つことが可能になります。

気密の効果 ①省エネ対策

年間で家庭が消費するエネルギーのうち、冷暖房が占める割合は約30%と言われています。気密性が低いと冷暖房で温めた空気や冷やした空気が隙間から逃げてしまうので、無駄な冷暖房エネルギーを消費してしまいます。

一方、気密性の高い家は室内の空気を逃がさないため、少ない冷暖房エネルギーで室内の温度を快適に保つことができます。地球温暖化防止など環境保護への取り組みが増々高まっている現状では、住宅のエネルギー消費量を抑えることは、今後益々重要になっていくでしょう。

 

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気密の効果 ②快適な室温

快適な室温を保つためには、適切な断熱と、断熱性能を発揮するための気密性が必要です。気密性が低いと室内の暖かい空気・冷やした空気が隙間から逃げてしまいます。

また暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下部に溜まるため、「暖房をつけていても頭部は暑く足元は寒い」という状況が起こりがちです。

一方、しっかりと断熱化された外気の影響を受けにくい住宅では、室内が快適な温度に保たれます。

※下の図は室内の温度と表面温度の差が快適さに与える影響を表したグラフです。
室内外の温度差を抑えれば抑えるほど、快適さが向上することが分かります。

 

適温空間

気密の効果 ③結露の発生を防ぐ

水蒸気を含んだ暖かい空気が冷たいものに触れた時、結露が発生します。

冬場など室内の温度が外気温より高い場合、暖かい空気は壁内を通して外部に運ばれ、外気と触れた時に結露が発生します。結露が発生した場所はカビが繁殖しやすく、それらのカビや菌は柱や土台などの構造材を腐らせたり、断熱性能を低下させる原因となります。

結露を防ぐためには冬期・夏期の湿気を適切に管理し、建物を湿気から守ることが大切です。

 

建物 保護
建物保護

気密の効果 ④家族の健康を守る

カビが発生すると胞子やその代謝物、ダニの死骸や糞などはアレルギーを引き起こすアレルゲン(病因的抗原)の原因になります。

住宅の気密性を高めることにより結露を防止し、 結露→カビの発生→ダニの繁殖 という連鎖を断ち切り、鼻炎などのアレルギー疾患に悩むことなく、健やかに生活できます。

 

防湿・気密 健康