グラスウール断熱材の研究開発・製造

グラスウール断熱材の研究開発・製造

マグ・イゾベールは日本の住環境に最適な製品づくりを日々研究開発・製造しています。

 

 

日本の住まいに最適なグラスウール断熱材を開発

1. 日本のニーズに合った製品づくり

断熱材に求められるのは、高性能であることはもちろん、見た目や手触りといった数値化できない部分で、ハウスメーカーや工務店など施工現場からの 要望に応える事も重要です。

例えば、グラスウールは「ちくちくする」「ゴミが出やすい」などの印象を持たれがちですが、それをいかに払拭してユーザーフレ ンドリーな製品をつくるかは重要です。

そうした繊細なニーズにも対応できる製品づくりのため、日々検証実験を繰り返しています。

 

断熱材 コスト比較表

2. 日本の環境に合った製品づくり

四季の変化に富み、季節によって温度や湿度が大きく変動する日本の環境で、住宅を最適に断熱するための製品づくりはマグ・イゾベールの大切なミッションです。

例えば、日本の住宅にグラスウール断熱材を施工する場合、防湿気密シートが不可欠です。しかし、夏の湿度が非常に高まる温暖蒸暑地域では、一般的な防湿シートでは夏型結露が起こる可能性があります。

そのため、調湿機能で湿気を放出する調湿気密シート「イゾベール・バリオ エクストラセーフ」の導入を推奨しています。寒冷地から温暖蒸暑地までの幅広いエリアで結露の発生を防ぎ、構造躯体を木造腐食から守ることができます。

 

イゾベール・バリオ 施工例写真07

3. 開発に不可欠な実際の製造プロセスの知見

より良い製品づくりのためには、開発部門と製造部門との密な連携が欠かせません。
一般にグラスウールは繊維が細くなるほど、繊維と繊維との間により細かな 空気室が生まれ断熱性能が向上します。

ただ、繊維を細くしようとすればその分多くの製造エネルギーが必要となるため、いかに効率のよい生産を行うかがポイ ントになります。

こうした課題を解決するためには、実際の製造ラインでの検証が不可欠です。
開発部門と製造部門が連携して生産ラインでの試験を繰り返し、 最適なプロセス開発を行っています。

 

工場内のグラスウールボード

 

 

より高性能なグラスウールを生み出すための研究 

1. フランスとの連携

新製品開発のため、フランスのイゾベール本体と積極的な技術提携を進めています。

150年の歴史を持つクリール研究所では、これまでに手がけてきた数多くの試作品をプロセスごと保存しており、未来に向けた製品づくりの足がかりにすることができます。

マグ・イゾベールからも長期研修として開発担当者を派遣するなど、相互協力のもと研究を続けています。

 

フランス・クリール研究所の研究室

2. より高性能なグラスウールを目指して

マグ・イゾベールでは定期的な製品評価を行い、製品の高性能化を目指しています。

例えば、寒冷地用住宅では将来的には壁の厚み=柱の太さが250㎜~300㎜程度に拡大する可能性があり、そうした、さらなる高断熱化への市場動向に対応する製品づくりも重要な検討項目です。

また、製造工程を見直してコストを削減するなど、高性能な製品をリーズナブルな価格で提供できるよう取り組んでいます。

 

グラスウール製品をチェックするスタッフ

 

 

原料も燃料もリサイクル利用で環境保護にも貢献 

1. グラスウールの主原料はリサイクルガラス

マグ・イゾベールでは、グラスウールの主原料の約85%以上にリサイクルガラスを使用しています。

自動車の窓ガラスや網板ガラス、テレビのブラウン管、資源回収で集められた空き瓶などを粉砕して異物を除去し活用しています。

さらに、建設現場で発生した端材は回収して、原料としてのリサイクルや粒状にして吹き込み用グラスウール「マグブロー」として製品化することで有効に利用しています。

 

リサイクルガラスを細かい粒状(カレット)に加工した状態
リサイクルガラスを細かい粒状(カレット)に加工した状態

2. 燃料にもリサイクル素材を活用

ガラス溶解炉にもリサイクル燃料を活用しています。

使用済みの自動車のエンジンオイルや、工場でコンプレッサー・タービンなどに使用された潤滑油、またガ ソリンスタンドのタンクピット洗浄時に回収・精製処理された廃油を燃料として利用。

さらに、一部の工場では、石油よりもCO2排出量が少ない天然ガスも利用しており、原料・燃料ともに積極的にリサイクル品を利用することで、環境にやさしい製品づくりに努めています。

 

天然ガスのプラントと輸送トラック
CO2排出量が少ない天然ガスも利用

3. グラスウールづくりはわた菓子づくり!?

現在マグ・イゾベールでは、溶解炉にて高温で溶かしたガラスを遠心力で細く繊維状にする方法でグラスウールを製造しています。

そのつくり方を簡単に言うと、ザラメを熱して溶かして小さい穴から高速で回転させて作られるわた菓子のようなものです。

繊維状になったガラスに接着剤を吹き付け乾燥成型し、用途に 応じて最適なサイズにカット、またフィルム等の表皮材が貼り合わされグラスウール製品が完成します。

こうした各工程それぞれに、サンゴバングループが長年培ってきた優れた技術力が注ぎこまれています。

 

わた菓子のように見える白いできたてのグラスウール
わた菓子と同じ原理でつくられるグラスウール

 

 

マグ・イゾベールの製品づくりにおけるこだわり 

1. ガラス繊維作りは高い技術力と現場に支えられる

溶解炉の溶融コンディションを最適に保つのは容易ではありません。

原料のガラスを入れてただ単に加熱にすればよいというわけではなく、最適な状態を現場オ ペレーターが常に監視して変化に応じた調整が求められます。そのため溶解炉の管理は経験に支えられたエキスパートが小さな変化も見逃さないよう常に注意を払っています。

ガラスを繊維状にする工程でも同様で、繊維の状態を監視して最適なコンディションを確保しています。そうした高い技術力と現場により支えられ、安定した高品質な製品が作られています。

 

グラスウールを製造する溶解炉
外気温や湿度などに合わせた繊細な管理が不可欠な溶解炉

2. コンパクトでかつ反発することが大切

住宅用グラスウールに求められる性能の一つに復元力があります。

梱包、出荷の時には保管スペースや運搬効率を高めるためにできるだけ圧縮、減容することが求められ、かつ施工現場では開梱、施工時に所定の厚みまで反発、復元させる性能が求められます。

断熱材として正しく機能し、より良い性能を発揮させるためこの圧縮と復元性の二つの最適なバランスを求めて品質改善を続けています。

 

工場のラインを移動する包装済みのグラスウール製品
高い圧縮性と優れた復元性を兼ね備えたグラスウール製品